| 郡上八幡グルメ考 | ||
| みどり深き山々と清らかな水が生みだして、郡上びとが育んだ味覚の数々。
城下町の散策の折、ちょっと足を止めていただきたい味の道しるべです。 |
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| 「旅ゆけば郡上の里に茶の香りィ…。」 | ||
| 郡上八幡の特産として隠れた人気のあるのが「手もみの焙じ茶」。町の小那比、相生地区で栽培される茶葉が使われます
。もともとこの地区は地形が山がちなため江戸時代に郡上藩主が水田や畑作には不向き、と茶の栽培を奨励したのが始まりという長い歴史をもっています。 朝霧が立ち、昼夜の温度差のあるこの地域の気候がおいしい茶葉の育つ理由でもあります。 この山里で手摘みされた茶葉は培炉(ほいろ)と呼ばれるもみ台で手もみにされ、葉振るい、もみ切りといった伝統的な製法で念入りに作られます。 見た目葉はやや大きく荒い感じがしますが、こより状の見事な出来ばえと香りは市販の大量生産の物とは比べものにならないくらい…。 多くのファンを持つのもうなずけます。私個人もこのお茶が大好きでいつもふるさとから送ってもらいますが、生産量に限りがあるためか、「郡上八幡直送ギフト」や「ふるさと便」ではこのお茶は販売していません。 直接店に買いに行くしかないのですが、観光客の多い日曜日なのにもかかわらず休業というところもあって、「美味しいお茶は地元で独占か!」と誤解されそうな頑なな店ばかり。 郡上八幡に来てお茶が美味しいのは水のせいばかりと思っていたらそれは大きな間違いですよ。 田中茶舗・郡上八幡 上日吉町 Tel:0575-65-2838
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| 郡上八幡は「五穀豊穣」の町 | ||
| 都会では健康食品の店にでも行かないかぎり、手に入れにくい粟やきびなどの穀類も郡上八幡ではあたりまえのように店先に並んでいます。
しかもどの店も広い間口にべんがら格子という立派な店構えです。 昔から人間の食生活に必要な食物として五穀とよばれた穀類は、今でこそ健康を考える人たちの間で人気を集めていますが、米以外は「雑穀」なんて見下した名称をつけられてきました。 この町では長年にわたって雑穀類の食べ方やその効果を店の主人自らが講習の場を設け、昔からの伝統を絶やさないように一般の主婦からなんと小学生に至るまで指導してきたといいますから、その裾野は広いわけです。 きびや粟などを加工したきび餅、粟餅、それに豆餅、よもぎ餅(もちろんアンコなんかは入っていません)などこの町の人々は気軽にごはんの代わりに主食にしたり、じつに上手に穀類を日常の食生活のなかに取り入れているのには驚かされます。 そういえば町を歩いてて気づくのは、元気なお年寄りが多いこと!「五穀豊穣」の町は「長寿健康」の町なのかもしれません。 庄村米穀店・郡上八幡 今町
Tel:0575-65-2431(ご主人の穀類の博識ぶりは大したもの) |
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| 人気は「うなぎのぼり」その秘密 | ||
吉田屋 美濃錦 |
「郡上八幡のうなぎは美味い。」というのは定評のあるところです。
それはどの店もいいうなぎ屋に必要な3つの条件を満たしているからです。 一つめは良い水。 郡上八幡のうなぎ屋はどこも敷地の中に井戸があったり、川の水を引き込んだりしてうなぎを活きたまま飼っています。 いわゆる「生け簀飼い」というもので、清らかな水の豊かなこの町ならではの成せること。 鮮度が第一の鰻ですから味を大きく左右しますが、都会のビルのテナントのうなぎ屋ではこうはいきません。 二つめは、いずれも老舗で長年にわたって使い込まれたタレを大切に守っていること。 創業50年、100年という歴史ある店ばかりです。 つぎ足しでじっくり熟成されたタレはうなぎの旨みと相まってこそ、そのおいしさを増してゆくのです。 そして三つめは商業の町として栄えた郡上八幡は、商人たちのお昼を兼ねた商談の場としてうなぎ屋が利用され、口の肥えた地元の人たちによって磨かれ、育てられたという背景があります。 京都の著名な川魚料理屋はどこもその名に「美濃」がつくのを見てもわかるように、岐阜県は昔から鮎、うなぎの扱いにこなれた土地柄。 それはお隣りの尾張、三河で良質の味醂、溜り醤油が造られた地理的な好条件もあります。 夏ともなればどの店も、郡上おどりのスタミナ補給の観光客と暑気払いの地元の人でまさに「うなぎのぼり」の人気でにぎわいます。 うなぎ料理の老舗ご三家
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魚寅 |
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| たかが「蕎麦」されど「蕎麦」。 | ||
| 水のきれいな町には、必ずおいしいそば屋があります。 「水とそば粉さえしっかりしていれば、そばはおいしくなるもの。本来は簡単な食べ物です。 しかし、水もそば粉も現在では良いものを手に入れることが難しくなってきました。」とは、そばの「平甚」のご主人の弁。 「郡上八幡ならではのそばといえば秋の自然薯の山かけがあります。 天然なので収穫量も少なく松茸以上に高価なものですが、あまり講釈をならべて逆にお客様に (これは大変なものを食わせてもらっている。)という感じを与えてもいけません。 そばは所詮そば。料亭さんの料理とは違いますから…。」 と味本位で謙虚な姿勢は「泉屋」の先代の今は亡き女将さん。 郡上八幡のそば屋は、洒落た店構えや奇をてらったメニューはないかわり、のれんをくぐると三和土に小上がり、黒光りのする柱に箱段なんかがあってそのまま時代劇のそば屋のセットにつかえそうな店もあります。 基本を第一とする姿勢が味ばかりではなく、店の造りにも伺えます。 そしてこの町のそばは、どれもちょっと色黒でそばの香りがひときわ高い。 いい水といいそば粉に自然薯、わさび、地もののネギなどの引き立て役も揃って郡上八幡はそばを味わうのにはうってつけの町なのです。 老舗の御三家 |
泉屋 |
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平甚 |
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| 「郡上焼き」というお好み焼きについての考察 | ||
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郡上八幡のお好み焼き屋には「郡上焼き」(又はネギ焼き)というお好み焼きがあります。 その名のとおりネギだけをたっぷりいれて焼いたシンプルなもの。 イカ入り、ブタ入り、蝦入り、はてさて焼きそばまで入る広島風と豪華なお好み焼きに主役の座は取られがちですが、未だに根強い人気があります。 この「郡上焼き」、お好み焼きのルーツといわれる中国の「葱油餅・ツォンユーピン」と酷似しているのも興味深いところです。 それが中国から韓国に伝わり韓国でできたお好み焼きが「ビンデッド」。 これには日本と同じく豚肉、蝦、キャベツ(キムチ)がはいります。 それが日本に来て今のお好み焼きのスタイルになったのでしょうが、郡上のお好み焼きはいわばここへ来て先祖帰りを遂げたようなもの。 食べられるのは、鉄板料理の店から学生たちに大人気の気どらない店までさまざまですが、あまり大きな看板を掲げた店はないので目立ちません。(なかには看板すらない店も) どうぞ町の人に気軽にたずねてください。 「どっかおいしいお好み(郡上八幡ではお好み焼きのことをこう言います。)の店、知りなれんか?」 鉄板料理「泉坂」・郡上八幡 泉町
Tel:0575-67-0474 |
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| 日本百選の名水で生まれる豆腐 | ||
| 古い町並みを歩いていて「おやっ?」と不思議に思うのが軒先につるされた白い木箱。 これは郡上八幡では豆腐屋の目印です。 味はもちろん、豆腐を冷やすのにも良質で大量の水を必要とする豆腐作りには天然の湧水や地下水の豊富なこの町はまさにうってつけ。 それに長い経験に裏打ちされた職人の勘と良質の大豆がものをいいます。 山深いこの土地では昔から豆腐は大切な栄養源だったため、今でもこの町の人は大の豆腐好き。 正月のおせち料理にも数種類の豆腐料理が入るほどです。 それに寺院が多くて仏教の盛んな土地柄ゆえに、報恩講などで豆腐の料理の需要が大きかった歴史背景もあります。 ここでは豆腐にもちゃんと旬があって、「絹とうふは桜の花が散ってから、からし豆腐は6月から…。」といったこだわりがあります。 またお隣りの大和町には「母袋(もたい)とうふ」という堅豆腐がつたえられ、昔から「母袋とうふに頭をぶつけてコブができた」とか「おもたい豆腐」などとそのユニークさはいわれていますが、普通の豆腐なら100丁分できる豆乳からとれる母袋とうふはわずか8丁。大豆の滋養が凝縮されてるような味わいです。 さて、せっかくの名水の町のおいしい豆腐ですが、町の人にとってはあたりまえすぎて、遠来の観光客が食べようとするとこれが案外むずかしい…。一応次の旅館が郡上八幡の豆腐を単品として出してくれます。(記載の旅館以外に豆腐を出しているところがあれば、ご連絡ください。) 郡上八幡ホテル積翠園・郡上八幡柳町 Tel0575-65-3158 (朝食にからし豆腐を)
おもな豆腐の店 |
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| 「地のもの」野菜を生かす味づくり | ||
| 「安久田こんにゃく、名皿部ごぼう、五町大根に小野なすび」この郡上節の歌文句は江戸時代のこの地方の農産物を歌ったもの。 今では「....五町はインター、小野宅地」になってしまいましたがまだまだ郡上は地ものの野菜の豊富な土地。清らかな水と澄んだ空気に育まれて、静かに季節の到来を告げてくれます。 店先を通るだけでその時どきの旬を感じさせてくれるそんな店が「よろずや赤垣」。 その名のとおり野菜や果実、生花のほかに周辺の農家の人たちが持ち込んだありとあらゆる品々が店内にあふれています。 女将さんの強烈な個性の楽しいユニークな店でそれ自体が郡上八幡のひとつの名物。
米は自家生産、野菜は地ものをとこだわりの宿は「旅館磨墨」。 よろずや赤垣・郡上八幡北朝日町
Tel0575-65-3313 |
よろづや赤垣の店さき
旅館磨墨の夕景 |
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